Message

Message

幼い頃から、いつも猫と一緒にいました。

朝起きたら顔を洗って猫に「おはよう」と言って軽く撫で、ご飯を食べたら猫とハグをして、行ってきます。学校から帰って来たら、猫のお腹をすかした鳴き声を聞いて、「ちょっと待っててね」って、声をかけてご飯をあげる。夕飯の時は、わたしたちのご飯を美味しそうに見つめる猫に「だめよー」って言いつつも、根負けして少しだけお魚をあげる。夜お風呂に入ったら、一緒にお布団の中に入り、「おやすみ」と声をかけ、わたしの腕の中で喉を鳴らしてくれることに嬉しさを感じて、安心して眠りにつく。

いつも一緒でした。

大人になり、一緒に過ごせなくなる時間が増えると街角で見かける猫さんに声をかけてみるけど、大抵フラれる。でも何度でも「おいでー」って声をかけちゃう。だって好きだから。そんな風に何気なく過ごしていた幸せな時間はたくさんあるけど、悲しい思い出もあります。一つだけ後悔していることです。

高校生の頃、毎晩、泣きながらドアをガリガリ、ガリガリ引っ掻いて、「入れて入れて〜」って飼い猫の「遊(ゆう)」は言ってきてくれるんです。一緒に寝られるのは嬉しいので、いつも二階の自分の部屋のお布団に入れて二人で寝ていました。ある日、翌日にすごく大事な試験があり、とても眠く、かつ疲れていたこともあり、「今日は一人で寝たいな」と思い、その子に特に声をかけずに一人で寝ていました。ただ、毎日習慣のように布団に来ていたその子はいつものようにドアの前に来て、ガリガリ、ガリガリ泣きながらドアを引っ掻き続けます。

とても疲れていたので無視していたのですが、音もうるさくて寝ることもできません。一度ドアを開けて、部屋に入ろうとしたその子を捕まえて、「今日はダメだよ。ごめんね」と言って、1階に連れて行きました。やっと静かに寝られる、と思い、布団に入ろうとしたら、タッタッタッタタ、っと階段を急いで登ってくるその子の足跡。そして「にゃーにゃー(入れてー入れてー)。」なんでわかってくれないんだ!っとイライラし始め、また改めて始まったその子のガリガリ攻撃&鳴き声に我慢ができず、未熟なことに、ついにドアを開けて「うるさい!」と声を荒げ、一、二回叩いてしまったんです。

いつもと違うわたしの行動に、目をつぶって怖がっているその子の姿を見て、わたしは「なんてことをしてしまったんだ・・・」と思いました。そしてすぐゆっくり、優しく抱きしめました。すると、その子はまたいつものように優しい顔に戻ってわたしに甘えてくれました。しかも、いつもより嬉しそうに頬を寄せてきてくれるんです。ちょっと泣いているようでもありました。

その時わたしは思いました。

『ああ・・・、この子は何て優しいんだろう。こんなに悪いことをしたわたしに対して、なぜこんなに優しく許してくれたんだろうか。猫はとても愛情深く、一度仲良くなれたわたしを信じてくれて、ずっと側にいてくれる。わたしにとっては、かけがえのない存在なんだ』っと。

そのあと、もう翌日の試験のことに対しては肩の力が抜け、「今日は朝までゆうと一緒に過ごそう」と決めて、一緒にお話ししながら横になってました。いつの間にか、ゆうの喉を鳴らす音に包まれながら、すぐ寝てた気がします。

このサイトは、「世界中の猫さんを幸せに!」といった大きなことを目標としているわけではなく(もちろん出来たらそれは素敵ですが)、わたしにとって大切な猫さんの好きなところ、楽しいところを紹介し、わたしのように猫さんを愛してやまない人たちと気持ちを共有したいサイトです。